じゅらく壁 手の痕跡が残る趣のある仕上げ

最近の壁仕上げといえばビニールクロス。安く、施工効率が良いので1日で何平米も仕上がっていきます。施工した時が一番綺麗でそのあと汚れ、しまいには剥がれて張替えます。職人の手の痕跡もなければ、職人の腕の良し悪しも見てわかりません。現代の仕上げと言ってしまえばそれまでですが。 私は普通は塗装仕上げにします。塗装仕上げは、職人の上手い下手がでます。それよりも光の反射具合がとても美しく、空間に落着きを与えてくれるからです。 このじゅらく壁や漆喰という素材は、職人技がひかり、経年変化を楽しめる日本の伝統的素材です。効率とコストによって最近は使われる事が少なくなってしまいました。私を含めて、日本の良さを捨ててきた責任というか、無知の罪みたいなものを感じます。 壁は職人さんが、じっくりと時間をかけて仕上ていきます。 見ていてもまったく飽きません。 最初は表面が滑らかで光っているのですが、時間が経つにつれて水分が飛び、中に入っている藁が浮き上がってきます。 壁を仕上るのも時間の有する作業ですが、これを見ていますと、ありがたさが伝わってきて、建物を大切に使おうという気になります。