名古屋安藤七宝店クロイゾンスクエアは都会の中の静寂なオアシス

名古屋のもっとも賑やかな栄にある安藤七宝店。日本の伝統的七宝焼きを製作する歴史ある安藤七宝店ですが大きな通りからは看板しか見えません。ビルに囲まれた細い路地空間を入って行きますと、そこは表通りの喧騒からは想像できない日本的な静かな空間が拡がります。 路地のショーケースには美しい七宝焼きの商品が並びます。色鮮やか。一つ一つ見ていても飽きません。小さな美術ケースのような展示空間にもなっています。 突き当りますと、その前には既存建物である土蔵を改修した資料館が見えます。 シャープな庇のある廊下、中庭を挟んで安藤七宝店のガラス貼りの店舗。 その奥にはイタリアンレストラン 一番奥からの見返りの写真。 深い庇と石の中庭、ちょっと休める石のベンチ。その向こうに見える平屋の店舗。ヒューマンスケールで落ち着く場を見事に作り出しています。 建物を計画する基準として容積率、建蔽率というその敷地にどれだけの面積の建物が建つかという物差しがあり、この栄のような一等地ですとその基準一杯の建物を計画し隙間なく建物を建てます。したがいましてなかなかこのようなゆとりと静かな空間を作り出すことはできないのですが、ここは計画のすばらしさ、建築主の許容する懐の深さが表れています。都市にこのような路地的な場があればもっと都会を楽しめますよね。ふっと静かになれる場所というのは都会だからこそ必要だと思います。 このように路地となっています。 大通りからは見えませんが、ガラス張りのシャープな建物の右側がもう一つの出入り口 この建物を含めた計画で設計は竹中工務店