谷口吉生 京都国立博物館 教会のような光が射す吹抜けのあるエントランスとシンプルで透明感のある階段

天井の高さを抑えたエントランスの風除室を通り抜けますと、大きな吹抜けのあるエントランスホールが待ち構えます。静かで、空気が引き締まる教会のような空間。無駄なものは一切なく、大きな箱の中に透明な階段、2階の渡り廊下が組み込まれ、上部ハイサイドからの光と、エントランス側の障子的なガラスカーテンウォールからの柔らかい光で満たされます。 吹抜けのある大きなホール エントランス側の柔らかい光 浮いているような2階ブリッジとそれを支える円柱 普通図面で考えますと、これだけシンプルな構成になると、できた空間もなんか物足りなく思ってしまうのですが、それが違うんです。考え抜かれた空間構成、プロポーション、材料の選択、材料の色、光の採り入れ方、見せ場の階段のシャープなディテール。どれをとっても洗練されたものの集まりなんです。茶室ではないですが、簡素であればあるほど難しい。その域まで達した空間ではないかと思いました。 2階のブリッジ。このブリッジがあることで、1階の大ホールにめりはりができます。 シンプルで美しい階段 軽快感と透明感を携え、無駄な線を極力抑えた究極のミニマリズムの階段