ワタリウム リナ・ボ・バルディ展 ブラジルサンパウロの建築
ワタリウム美術館で開催中の建築家リナ・ボ・バルディ展に行きました。
久しぶりのワタリウム。内部の重厚な空間はできた当時のまま。もう30年ちかく経ちますが、その造形美はまったく衰えを感じません。やはりこの建物は芸術品なのだといまでも思います。
リナ・ボ・バルディは戦後で傷ついたイタリアからブラジルへ移り住んだ建築家ですが、ブラジルの人達を愛し、そこにいくつかの名建築を残しました。サンパウロ美術館は緑の丘に建てられたシンプルで力強い建物で、大きな4本の柱で展示室全体を持ち上げ、その下のピロティーを市民に開放。そこから見降ろすサンパウロの景色はいまでも大切な場と一つになっています。展示室の写真を見ましたが、その配置は、ルーブルランスでSANNAが試みた、壁のない展示と相通じるものがあり、訪問者は自立した展示品の中を自由に見て廻るようなものでした。
ワタリウムの展示では、代表作のスケッチや模型そして彼女が語る貴重なビデオを通し、この建築家の考えを知ることができます。