前川國男 弘前市民会館 光を受ける壁と吹抜け大ホール

ホール棟の方に向かいます。内部は入れなかったのですが、ホワイエはガラス越しに見れました。 まず、長いエントランスポーチから玄関に入ります。そこは低い天井のまま。光を受ける壁からは室内に反射光が差し込み、2階へと向かう大きな階段が見えます。 低く抑えられた感覚から階段部分の大きく高く広がる空間へ。この開放感というか気持ち良さは、感動に値します。壁の反射光も外の木陰を映し出す形で絵になります。 低い天井は前川ブルーに塗られています。 木漏れ日が差し込み光り輝く重厚なインパクトのある階段。所々に着色された赤い壁がコンクリートの壁にアクセントを付けています。この時間帯ですと、丁度光に導かれるように上に昇っていきたくなります。 階段を上がりますと、天井の高いホワイエに。 ここの特徴は壁からの光。そして天井から吊られたパイプオルガンや金管楽器を連想させる照明。さらに、構造の力強さをそのまま表現した天井や、吹抜け階段廻りのコンクリート手すりの造形も見逃せません。 壁に反射する木陰が美しい。 外壁に設けられた光を調整する壁。恩師ル・コルビジェが用いたブリーズ・ソレイユがここに受け継がれています。 ブリーズ・ソレイユは、弘前の位置を計算し、光が上手く反射しながら入るように配置されています。