アルヴァ・アアルト美術館 人を導くうねる階段手すり
それでは、アルヴァ・アアルト美術館の方に入っていきます。玄関の扉を開けますと、左が受付とその奥にショップとクロークスペース。白い半円筒のタイルが貼られた丸い柱。アルテック社の椅子や木カウンターがさりげなく置かれています。
宙に浮くクロークカウンター。白い足の部分がなんとも可愛らしい。
そして右側がレストラン。外の景色を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。サッシは木製サッシ。そしていつものようにアルヴァ・アアルトが設計デザインしたペンダント照明がテーブル近くまで降りてきています。
レストラン奥がオープンキッチン
どうですか、この曲面を持つキッチンカウンター。いかにもアルヴァ・アアルトの設計だと解りますよね。その腰壁そしてバックの壁には外壁と同じ半円筒の形をした明るい白のボーダータイルが貼られています。外との一体感が感じられます。
さて階段を昇ります。やはり、空間と空間を繋ぐ、そして意識を高めていく階段は建物においてもっともダイナミックな装置です。その階段に付く手すりもアルヴァ・アアルトらしい、優しい曲面を持った手すりでした。昇るところは手すりが曲がりこんで地面に設置。こうすることで、手すり自体の強度も出ますし、すぐにつかめるという機能的側面もあります。
中間の踊り場の手すり。芸術的です。階段をわざと隙間を設け、視界を通し、空気を抜ける感じをつくり、そこに滑らかな手すりを付ける。
中間踊り場にもちゃんと外を向く開口部があり、手すりがそのままオブジェに変身しています。
さらに上を見ますと、アルヴァ・アアルトの像が迎える2階へ。
像とそれを囲い込むような有機的な動きのある手すり。
人はこの手すりの誘導で、自然に展示室へと導かれていきます。
改めて階段のディテールを見てみますと
巾木の納まりが面白い。
壁と繋がる部分には真鍮をいれて、他は木。なるほど勉強になります。
1階平面図。図面の下がエントランスです。