お濠に映えるパレスサイドビル
ビルが高く、高く、しかも面白くも何ともない機能主義のま四角ガラスビルが良い建物を壊して増殖する、外堀の風景の中で、いまでもその存在感を強烈に訴えるビルがこのパレスサイドビル。新聞社の本社や印刷工場、賃貸オフィス、そしてプロムナード商店街という複雑な機能を持ちながら、両側の白いエレベーターコアとトイレと真っ直ぐ横に伸びるファサードでまとめ上げています。文化遺産としてのモダニズム建築DOCOMOMOにも当然選ばれている建築は、日建設計林昌二の力作。何年かに1回取り換える設備を本体と分離させることで、この建物は今でもリニューアルを続け、健全とお濠端に鎮座しています。
お濠の水平線をそのまま形態にしたような、環境にも合った建築
玄関の浮遊する庇や、ガラスカーテンウォールの外のバルコニー、そして竪樋のディテールなど、何度見ても関心させられ、勇気をもらう建築です。