宮脇檀設計の中山邸を見る。玄関から覗く中庭

近代建築の良さは公共建築では少しずつ認められて、保存の動きもようやく見られるようになりましたが、住宅に関しては保存は極めて難しい。区や市などに寄贈して見てもらうというような余裕がある場合は別にして、個人所有となると、世代も変わり、考え方や住まい方も変わってくるので、ほとんどが壊され、建替えられます。この中山邸もしかり。大きな住宅ですので家族が成長して家から出ていくと、なかなかメンテも大変。おまけに税の問題もあり、壊されることになりました。最後のオープンハウスを見てきました。宮脇檀の設計した住宅の中では大きな家。このころ、コンクリートと木造の混構造を作っていた宮脇さんですが、その混構造の最後ぐらいの建物。大きなリビングとダイニング、和室という皆が集まる場所は木造で、個室・書斎・ベッドルームはコンクリートの壁でがっちり囲むというコンセプト。 この中山邸を設計する際には大きな迫力ある長屋門が残っていて、その長屋門との関係性にかなり時間をさいたそうです。また周辺も掘りが巡らされて、そこだけが別世界の敷地条件でした。次第に開発が進み、その長屋門も無くなっていたので、関係性は読み取れませんが、宮脇さんのアイデアが随所に残る邸宅でした。 現代の門 駐車場の脇を通り、玄関へ 玄関のひさしは、木のルーバーになっています。 半分に照明が組み込まれ、夜の帰宅者を迎えます。 玄関に入ると、正面に大きな開口があり、そこから中庭が見えます。 これは、食堂側から中庭を介して、リビングの窓方向を見たもの 中庭の光は、玄関・リビング・ダイニング・廊下に光を採り入れる装置となっていて無駄なく機能されています。 こちらが庭から見た外観 大きな切妻屋根の部分がリビングで木造。手前は個室でコンクリートの壁でがっちり守られています。