中禅寺湖イタリア大使館別荘(2) 杉皮の天井・壁
アントニン・レーモンドが設計した中禅寺湖イタリア大使館別荘の目をひくのは開放的なプランだけではありません。
その内装に薄い杉の皮が用いられていること。
なかなか内装として考えつかない杉皮なんですが、その杉皮を様々な模様にして天井や壁に使っています。
同じ素材でどれだけ多くのデザインができるのかを試したような感じ。天井も部屋ごとに貼り方を変え、変化にとんだデザインを創出しています。
同じ素材なので、模様が変わっても全体として見たときには、統一感があり、違和感は全く感じません。もちろんそれが自然素材であるということも重要。
なるほど!と考えさせられるインテリアです。
こちらは、天井の模様。
杉皮で渦巻状の6角形を造り、淵に竹の縁を回すことで、幾何学的模様を生み出します。
全ての素材が杉皮。細かい皮が連なっているので、大きな木の肌を想わせる、温かみを感じるのですね。
とても柔らかい、フワッとした感覚。
広縁部分の杉皮の天井です。
レーモンドの設計する建物にはどこか温かさを感じますが、きっとそういう一面を本人が持っていたのでしょう。
壁も千鳥に組んだり、ずらした正方形を並べたりして、見ていてとても楽しい。