長野県飯山市文化交流館なちゅら(3) 構造と化粧のあり方
飯山市文化交流館なちゅれ。この奇抜な形態の建物の構造はどうなっているのでしょうか。
音楽ホールということでかなりの音響が考慮されており、大ホール、小ホールは壁が鉄筋コンクリートになっています。
音の遮音を考慮した場合、体積が大きく密なコンクリートが最適。
機能からすると鉄筋コンクリート造はがってん!
複雑な屋根はコンクリートではコストもかかるし技術的にも難しい。
このなちゅらの屋根は鉄骨造です。
コンクリートの壁に大きな鉄骨の梁が見えます。
それでは、このなちゅらの意匠の特徴でもある、木の列柱と梁はどうなんでしょうか。
この大きな木の造作は、構造というよりも化粧。装飾と考えられます。
我々モダニズム世界では、無駄なものを省き、構造をそのまま表現するのを良しとしてきました。
したがってこのなちゅれも以前の考えだと木の意匠は無いはず。でもこの木がないと、本当にシンプルで味わいがない空間になっていたと思います。
大きな開放的な「なかまち」に強いインパクトと、連続性を与えるためにこの木の装飾が使われたのでしょう。
確かにこの木架構は効いています。
大ホール
ステージから客席方向を見る
サイドの遮音・反射オアネル
トイレ
明るいトイレ
稲を混ぜて作ったパーティクルボード