ル・コルビジェ 絵画から建築へーピュリズムの時代 展を国立西洋美術館で見る。
東京上野の国立西洋美術館で開催中の展覧会「ル・コルビジェ 絵画から建築へーピュリズムの時代」展をみてきました。
国立西洋美術館はル・コルビジェの設計で、今までいろいろな絵画展で訪問していますが、今回は展示も含め、この建築もしっかりと体感してきました。
まず、外部のアプローチの階段。
コルビジェが設計した多くの建築に用いられている片側が壁でもう片側が解放されスチール手すりが付いた階段。
片側から見たとき、三角の壁が見え、階段であることは一見わかりませんが、本体との間のスリットにスチール手すりが見えるので
裏に階段があることを想像させます。
こちらがメインのエントランスホール。
大きな吹き抜け空間に大黒柱のようにコンクリートの柱がドーンと据えられ、その柱から伸びた梁が三角切り取られたトハイサイドライトのある壁面に突き刺さります。
ハイサイドライトからの光は斜めの壁に反射してエントランスを柔らかい光で明るく照らし出します。と同時に柱と梁を象徴的に照らし、浮き上がらせます。
このホールには仕掛けが沢山あって面白い。
何と言いましても次の展示空間へと上るスロープ。
ゆっくりと折り返しながら登るスロープは、動きながら場が展開していくというコルビジェが重要視していた建築装置のひとつ。
ここではスロープを登るのも楽しいのですが、それを上のテラスから眺めるのも楽しい。
この吹抜け空間に設けられた2つのテラスは、その場所に奥行感をもたらし、かつ吹抜けを上から眺めることで、動きある空間を体験できます。
人が行き来する動きを建築空間に取り入れることで、静なる場所が動なる場所へと変わります。
こちらは、スロープを半分登ったところに設けられた階段からスロープを見たところ。
スロープを半分登って、さたに半分をスロープを用いても良いし、階段で上っても良い。
このようにスロープを含めたエントランスホールをあらゆる角度から見ることができます。