都市の中間領域 福岡銀行本店 黒川記章
福岡天神のオフィスビルが立ち並ぶ中心街に黒いボリュームの建物があります。
建築家黒川記章が設計した福岡銀行本店のビル。
黒い御影石のボリュームある外観は、インパクト抜群。大きな塊が重さを感じさせます。
その黒い大きな直方体の真ん中をくりぬいた形状。
これは建築家黒川記章が提案してきた「中間領域」を都市の中に具現化した建築。
外部と内部がまじりあうグレーの領域。
日本の建築では昔から縁側という装置もあり、どこまでが内部でどこからが外部かあいまいな領域が設けられていました。
それを都市のど真ん中に設けたことが凄いとしか言いようがありません。
そもそもこのような公共空間を銀行が建物内部に設けるという事自体が大事件だったと思います。
実際初めて訪問して、体感すると、ここまで大きな空洞だとは思いませんでした。
この中庭を眺めおろすようにオフィス空間がへばりついています。
中庭の1階は、カフェが設けられ、市民に開放された贅沢な空間。
見上げると、半円形のトップライトがあります。
市民はここを通り道として使ってもいます。
素晴らしい。
黒川さんの初期の傑作