旧唐津銀行(1) 辰野金吾監修、師弟田中実設計の師弟共作の建築
唐津の炭鉱業の繁栄を、その面影に残す、堂々たる外観の旧唐津銀行です。
唐津銀行から設計を依頼されたのは、日本の最初の建築家とされる辰野金吾でした。
辰野金吾は、唐津出身。当時東京駅の設計で、超多忙だった為、師弟の田中実に設計をさせ、自分は監修という立場でこのプロジェクトは進みます。
辰野の故郷である、唐津に建設されることから、田中実は、辰野の建築ボキャブラリーを用い、見事に完成させました。
外観では、ドーム状の3つの開口部が並び、強固なコンクリートのフレームの間にレンガが張られています。
こちらは入口部分。
陰影が出て、重厚感がある当時の銀行らしい、堂々とした姿。
3連のアーチと開口
立面図と平面図です。
吹き抜けロビーと、両サイドに階段室が設けられたシンプルなプラン。
辰野金吾の設計した建物は、東京駅や、大阪中の島の大阪市中央公会堂をはじめ全国に残っています。