虎屋本店 木とガラスの外壁と扇形のチタン屋根で構成された、老舗店舗らしい、和を感じる外観
青山通りを青山から赤坂に向かう途中、赤坂御所の緑を左に見て、青山通りを挟んで反対側に木とガラスと金属屋根の建物が見えます。
この建物は、羊羹で有名な虎屋本店。
元々、高い四角いビルでしたが、2018年に建て替えられました。
容積率的なボリューム感では、まだまだ高層に床面積を摂れる場所ですが、あえての3層の建築。
大きな塊のボリュームとせず、低層の扇形の外観と屋根を配することで、和を感じることができるデザインになっています。
設計は、内藤廣建築設計事務所。
内藤さんのこだわりの美しいディテールが随所にみられる秀作だと思います。
青山通りから見た外観
滑らかな曲線が、角地の敷地形状にマッチしています。
屋根はチタン。屋根の軒先端にはしたフラットバーが付き、そこに屋根を照らす照明が組み込まれています。
もちろん、照明は、外から見えませんし、軒先も極めてシャープで美しい。
看板が付く最上部の壁もスチール溶融亜鉛メッキにリン酸塩処理した折版
屋根と看板部分は、3mほど離れていますが、そのように見えません。
ガラスカーテンウォール以外の外壁には不燃処理された木が貼られ、内部と繋がっていきます。
3階の茶房の外部テラス
階段の踊り場にある、細いスチールフレームに縁取られたガラススクリーン。枠が細い。
屋根の樋も
内部からは、赤坂御所の緑が良く見えます。
細い道路側から見たガラスカーテンウォール
FIXの部分と開閉できる部分との違いが、ほとんど気にならない、渾身のディテール設計
エントランス部分
玄関庇の先端は、どこまでもシャープで洗練されたデザインです。