シンプルなれど、心に響く階段 村野藤吾の階段デザイン 宇部市渡邊翁記念会館
村野藤吾の階段は、いつみても魅力的です。
村野さんの独特な有機的な階段は、デザインするほうも、それをつくる職人技も非常にレベルが高い。
今では、なかなかやろうと思ってもできないデザインの数々が残っています。
さて、この戦前の建物である渡邊翁記念会館のVIP用の階段
うねる手摺は、以前ブログで述べていますが、その階段を横から見える場所があります。
この一枚の写真、どうでしょう。
シンプルで、よく見ないと通り過ぎてしまいそうな普通の階段に見えますが、
直線の造形や材料の対比がとても美しい。また抜けがあるので、光の入る方も美しい。
上に上がる部分の手すりは、腰までの手すり壁がありますが、折り返していく部分にはスチールの2段の手すりになっています。
ここで、壁の厚みが無くなり、シャープに感じます。
手すり壁がないので、こちらまで光が見える。
腰壁の素材も変えているので、とても造形的
シンプルながらさすがと思わせる階段でした。