赤倉観光ホテル 観光ホテルの草分け的存在
赤倉観光ホテルを訪問しました。
1937年、国をあげて国際リゾートホテルの建設が推奨され、創業者大蔵喜七郎により建てられました。
大蔵喜七郎は、帝国ホテル、ホテルオークラ、川奈ホテル、上高地帝国ホテルも手掛けた人です。
敷地は、越後妙高山のふもとで標高1000mの斜面に建ちます。
これは、創業当初の赤倉観光ホテル
広大な敷地にはスキー場、ゴルフ場があり、客室からは斑尾山や、野尻湖などの壮大な山々の景色が拡がります。
斜面の途中に設けられているので、すぐにスキーを楽しめます。
屋根の水平ラインと塔の垂直ライン、そしてロビー廻りのテラスのデザイン。どこか欧米のホテルを彷彿させます。
設計者は、川奈ホテルや学士会館、帝国ホテル新館(ライト館のあとに建て替えられた今の帝国ホテル)の設計者である高橋貞太郎
創業時ホテルの絵葉書
しかしながらこの初代建築は、1965年に残念ながら火事にて全て消失。
焼失後、たった1年で作り直したのが今の本館。RC造
超短工期で完成した建物だけに、建築的には確かに魅力に欠けるかもしれませんが、創業時と同じ場所で同じような外観を持ち、
耐火をすること、そして何度かの増築と改修工事を行い、時代に即した変更を行うことで今に生き残ります。とにかく立地は最高です。
遠景
今の本館
増築された部分
建物全景
増築も2度にわたってなされていて、本館とも見事に調和しています。
赤い屋根の連続性も美しいし、統一感もあります。増築を繰り返す建築の中では大成功の建築ではないでしょうか。
新旧が綺麗にまとめられ、優れたホスピタリティーを生み出していて、集客力もあります。
伝統が守られています。