建築家菊竹清訓が設計した、黒石ほるぷ子供館(2) 半外部の読書コーナー(現玄関)とロフトが生み出す落ち着きのある空間
建築家菊竹清訓が設計した建物ではかなり小ぶりのものですが、そこに表現されている全てが、菊竹さんの世界観を表していました。
僕が特別感動したのが、この半外部空間。
今まで自分が設計をする中で、いかに内部と外部が上手く溶け込むような建築をつくるかというのが一つの大きなテーマでしたが、
その答えの一つがここに表現されていました。
今は玄関として使われていますが、以前は外で腰掛けて読書をするスペース。
床が地面レベルから2段下がって、囲むようにベンチが配置されています。
そして、左側にも向きを森側に向いたベンチスペースがあります。
大きなはね出しの屋根で覆われているので、雨の心配はいりません。
この半外部のベンチの外側には、手洗いの壁が控えています。
玄関部分の上のガラスボックスは、階段で上り下りする屋根裏のような畳の部屋です。
子供達はこのロフト部屋に入ると、デスクの下が堀こたつのように床から下がっていて、その下がった床が跳ね上がり、足が出てくるような仕掛けがあります。
さらに、出入口両サイドの格子戸は、両開き扉になっていて、図書館が閉まっているときは、閉じることもできます。
下の写真は片方の格子戸を締めてもらったもの。更に中が見えないように閉めてもらいました。
実はこの扉、格子戸と思いきや、無双窓でした。スライドさせて隙間を見えなくできます。(下の写真は無双窓を閉めた状態)
なかなかよくできていますよね。
光と風が通るように無双窓になっているんですね。視界も通りますし。
外から見た半外部空間
この半外部旧館は、上下、左右あわせていろいろな居場所があり、子供達の絶好のたまり場になっています。