日光金谷ホテル歴史館(2) 段差を利用した立体的な木造建築
金谷ホテル歴史館は、もとは江戸時代の武家屋敷。武家屋敷の一番大切なところは、敵の侵入からの防御。この侍屋敷にも沢山の防御の工夫が凝らされていますが、それがそのまま今では空間の面白さを感じさせてくれます。
刀が抜けないように天井を低く抑えた玄関。下階からの敵の襲撃を防ぐ花頭窓。2階への階段の前には板戸が付けられ、一見したところ階段の在処がわからないようになっていたり、攻められた時に、2階からスムーズに逃げられるような回遊式廊下やスキップフロアになっていたりと、今の家でも十分つかえそうなアイデア満載でした。
特に、2階の床の間つき8畳の和室と、一段下がったところにある7畳の間の裏と表の庭がつながる空間構成は、拡がりを感じられる面白いプランです。
プランと模型
段差のある廊下
こちらは、土蔵。
大谷石の基壇が廻ります。