志摩観光ホテルの外観デザインの凄さ
志摩観光ホテルは何度か来たことがありますが。毎度感心するのは外装デザイン。
建築家村野藤吾が行きついた世界観を現しているので、そりゃー感動しないわけはないのですが、
それでは、今の時代にこのデザインをできる人が何人いるのでしょうか。
しばらく車で走って、ちょっと視界が拡がり、海が見えたと同時に右側に表れる外観。
一目で、他の建築とは違う、村野ワールドが展開します。
敷地の形状に合わせると同時に大きなボリュームに見せないように立面を分節にて威圧感を低減させています。
そもそも和風建築(数寄屋と言った方が良いか)は軒がシャープに出て、屋根の見付は細く繊細で、建物としては地面に近い低層建築が頭に浮かびます。
それを多重のホテルの外観にしてしまうのですから、凄いというほかありません。この発想は今でも無いな。
というか、綺麗にできそうな予感がしない。
細い線の庇が各階に着く。そこまではできます。そして最上部のEVシャフトや機械室に対して重なり合うような屋根のデザイン。
最上階にもう一つ別の建物がそっとのっかっている感じです。これはできないな。
コーナーに陰影をつけると共に、屋根の軒裏が深く見えるように、バルコニーが各階に設置されています。
日本建築である外に柱を見せる真壁の外装もリズミカル。
1階廻りの玄関庇や庭に降りる部分に添えられた軒の出が大きな庇。
共通したボキャブラリーで全体を和風にまとめ上げる才能。
確かに窓枠も和風住宅の窓のように枠型にコンクリートで型枠を作り、陰影を生み出しています。
2階バルコニーの柱と上部階の真壁の柱ピッチが違うのはわざと?
村野さんの建物は下から見上げたシーンが美しい。
うーん、絵には書けますが、それが良いかどうかの判断ができない。まだまだ未熟な自分がそこにあります。
こちらは、クラブ棟。移築した建築を村野さんがデザインしたもの。これも素晴らしい建築