アルヴァ・アアルト ヘルシンキ アカデミア書店 通りに対して配慮した銅板のファサード
ヘルシンキ中央駅の近くにあるアルヴァ・アアルト設計によるアカデミア書店です。
この建物は2つの通りの交差点にあり、その銅板で包まれた外観は、重厚で存在感があります。窓廻りに注目しますと、片側の通りに面する部分は窓の枠も外壁と同じ銅板。一方もう一つの面は窓廻りに白い大理石を用い、表情が明るく見えるようにしています。これはそれぞれの通りの他の建物、街並みに対する設計者の配慮から出たデザインなんです。
一方の通りサーリネンの銀行などが並ぶケスクスカツの通りは煉瓦の建物や歴史的な建造物が並ぶので暗いイメージで、もう一方のエスプラナード側の通りは明るく、開放的なので、そのイメージに合うようにしています。
煉瓦建築と並ぶケスクツカツ通り
そちらのファサード。全てが銅板による重厚で暗いファサード。サインが目立ちます入り口もシックでおとなしい。
こちらのエスプラナード側のファサードの窓廻りは白い大理石の枠が入り、明るいイメージ。
なるほど、同じ建物なんですが、面によって表情を変えているんですね。窓の大きさは同じで、外壁も銅板仕上げでグリッドをそろえた上で、窓廻りに一工夫している。建物全体を見ますとほとんど気が付きませんが、歴史ある街並みに敬意を表しきちんと対応しています。
エスプラナード側エントランス 白い庇が出て、明るい感じです。
扉の取っ手は、アルヴァ・アアルトだとすぐわかる握りやすい取っ手が連続して縦に繋がっているタイプ
手前天井が低く、真ん中に大きな吹抜けがある構造です。
実に気持ち良い書店の空間