ストックホルム市庁舎 青の間と呼ばれる吹抜け大ホール
アーケードをくぐり、目の前の吹き抜け大空間に感動します。これがノーベル賞受賞晩餐会が行われるホール青の間です。なぜ青の間と呼ばれるか。設計者であるラグナル・エストベリはこの大きなホールを設計する際、水の都ストックホルムが持っている色合い、暗示的な水の印象を具現化するために、小さな貝殻が散りばめられた様なきらめきをもたせようと、煉瓦壁の上に青い漆喰を塗る考えだったそうです。床は青いシェルメイド産の大理石。その大理石は階段やバルコニーへと続いていきます。青い間というのはその設計者の考えから生まれました。ところが、下地の煉瓦の壁が予想以上に美しかった。そして、その素材感を生かすために一度積み上げた煉瓦の表面を斫り落としています。こうして、煉瓦壁は仕上げとして残り、青の間という名前になったそうです。
イタリアの宮殿からイメージされたという連蔵アーチ
高窓からは光が青の間に注ぎます
平面図を見ますと長方形ではなく、微妙にずれた矩形をしていて、その感覚的なズレが流れを生んでいると言われます。
そしてこの階段。世界でもっとも昇りやすいと言われる階段
それに続く2階のバルコニー
バルコニーは黄金の間へと続きます。
このホールでは、設計者エストベリは、天窓を考えていました。それがいくつかの検討の末、いまのフラット天井になったとされています。
このレンガ壁は圧倒的な存在感を感じさせます。
手仕事がしっかりと残る仕事。そしてその苦労が、訪れる人々に感動をもたらします。