ルイス・バラガン カプチン派修道院(1)
バラガンの設計した光の恵みの教会。それがカプチン派修道院です。修道院と聖堂の設計を依頼されたバラガンは、資金を自分が負担する代わりに設計全てを自分が仕切って建設しました。ここには、光に対するバラガンの想いが全てつぎ込まれています。この修道院建設には7年という長い月日を要しました。今の技術をもってすれば、1年足らずでできますが、バラガンは光の入り方、感じ方、反射の仕方等試行錯誤を重ね熟考し、ようやくこの形に辿り着いたのです。
カプチン派修道院は、スペインの街並みが残るメキシコシティーのトランバン地区にあります。道路に対してはバラガン自邸のように壁と開口、木の扉しか無く、ここが修道院かどうか一見してわかりません。
木の扉から中に入りますと、まず前室があり、その向こうに中庭が見えます。中庭突き当たりの壁には十字架が形どられています。
中庭奥から入口前室方向を見たショット
中庭に入った右手には聖水の水盤があり、その奥は黄色い格子壁のある廊下が見えます。
床は、火山岩のタイル。強烈なメキシコの光が差し込みます。