山邑邸(5)
山邑邸の記事も今日で最後です。食堂から繋がるテラスは、2段構えで、まず食堂から出ますと南に広がる芦屋の街と海が目の前に拡がります。さらに、正面左側にあるトンネル状の階段を下りるともう一つのテラスにでるというしつらえです。
トンネル状の階段は、応接室の暖炉の煙突を兼ねていて天井が低くなり、ちょっと窮屈ですが、そこがライトの狙ったところで大きな空間に入るその前に一度小さな空間があり、そこを出ると視界が開け、感動が待っているという事なのです。
ただ、広く天井の高い部屋を作っても、そこに辿り着く道筋が重要で、人にその大きさを感じさせる工夫が必要なのです。落着くスペースとは、どのようなスケールなのか、廊下や人が動く動線をいかに豊かなものにするのか等、住宅設計にあたり多くのヒントが詰まった住宅です。