サロンタナカ 住宅はコンパクトに使いやすく、住みやすく
年齢を重ね、子供たちも社会に出ていき、夫婦2人でこれからの人生を送る。いずれは皆そうなるわけでして、そんな時に住まいのありかたは、どうだろうと考える機会をこの建物は、与えてくれました。お二人とも元気で、腕の良い職人として生涯現役の決意でこの家を建てられたわけですが、1階に床屋と玄関、準備控室をもってきますと、あとは2,3階がお住まいとなります。2階にLDKとトイレ洗面、浴室の水回りを配置。3階が寝室という構成になりました。3階までの階段は、なかなか慣れるまでは大変かもしれませんが、日ごろ立ち仕事をされているので、まったく問題なし。とは言っても年齢とともに足腰は弱るものなので、階段は緩く設計。階段の蹴上(足を上げる寸法)はできる限り低くし、踏面との関係はいつも考えますが、階段部分に建物全体の中の面積を多く取られても、ここは上るのにしんどさを伴わない寸法としないといけません。車いすになってしまうとこれは仕方ありませんが、もし健全であるならば、2階リビングという考えは逆に良いのではと思います。家にいることが多くなる年齢になると、階段の上り下りが唯一、足を動かすことになるからです。
2階は水回りを除いてワンルーム。
キッチンのシステムをそのまま伸ばしてリビングのテレビ台や、パソコン作業台につながるデザインとしました。
キッチンは半分隠れて手元が見えないようにカウンターで隠します。
お弟子さんが集まったりして、いつも賑やかになるLDK。できる限りものが表に出ないように収納を充実させることが大切ですね。
キッチンバックカウンターは、多目的収納棚。食器以外の生活必需品もすべてこの中に収めます。
ここにいますと、数歩歩くだけで事が足りるような感じ。狭すぎず、大きすぎずというスケールです。開口部には障子
障子の良さはそれだけでインテリアにもなり、近隣のうるさいデザインも目に入らず、柔らかい光を室内に採りいれてくれることでしょうか。
優しい光が心を落ち着かせてくれます。
左が3階に上がる階段。大きな障子はバルコニーの開口部。洗濯したらすぐにこの外に干せます。