川越蔵造りの街を歩く 豪商が作った重厚な蔵つくりの商家

蔵は火事から大切なものを守る為、漆喰壁で固めた倉庫という捉え方が多いのですが、ここ川越では商家のお店として蔵が堂々と街道に面して建てられました。 明治26年の大火のあと、川越商人の財力と、防火に対する強い想いから、蔵造りの街が形成されていったそうです。 何と言ってもこの重厚な感じは瓦屋根部分。屋根のてっぺんは棟と言いますが、この棟が何段にも重ね合わさったのを箱棟と言って小さな壁のように建ち上がっています。その両側には鬼瓦。その鬼瓦と箱棟の間にある膨らんだ部分がカゲ盛と言って鬼瓦と箱棟との接合部調整の働きがあります。漆喰塗り仕上げ。 そして壁には観音開きの扉。この扉の厚さは相当ありますよね。火事が起こった時にはこの扉を閉めて、それから隙間を埋めます。 こうした重厚感ある建物が並びますと、街にも重みが感じられてとても落ち着きます。木造町屋が並ぶ風景とままた違った趣で面白い。