国立近現代建築資料館 吉阪隆正+U研究室 不連続統一体というみんなで作るスタンス
吉阪さんが唱えた組織論である不連続統一体という考えは、大手の設計事務所やゼネコン設計部、そして幾人かのグループで設計する設計事務所にとって模範となる考え方です。設計事務所で働く人達は、皆個性と主張、考え方をそれぞれが持っていて、その個性のぶつかり合いもまた必要なんですが、いろいろな個性が発揮できしかもそれが一つにまとまると非常に面白い建物になります。皆がベクトルを同じ向きに向いて合わせますと、それが凄いパワーになり、1人でやるより何倍も力になる。そうするためには1つのプロジェクトに対して、それぞれが全力で考えてみる。そしていきなり皆がこれだ!と納得する案が生まれます。そこに向かってまた個性を出しながら進んでいく。みんなを巻き込んでいく。そんなやり方なんでしょうか。
八王子のセミナーハウスは吉阪さん率いるU研究室の代表作ですが、大きな丘の中に個性ある建物が建っています。みな形状も違いますが、一つの塊で考えると統一されていて、その全体像は芸術的でもあります。統一されたコンセプトがあれば、それぞれが違うデザインをしても核心がしっかりしているのでぶれない。
建築は本当に奥が深いのです。
八王子セミナーハウスのセンター棟断面図
今は無き、富山市呉羽中学校平面図
ひょうたん型の中庭型校庭を校舎が囲むプラン。皆の様子が手にとれるようで楽しそう。これが50年近く前のプランですから驚きです。
葉山三沢邸1階プラン
どうやって2階にいくのかと思うとワクワクするプラン。各室が完全に独立していて居間の2階までは一旦外部に出てから移動。2階は居間と食堂が外部テラスを介して繋がります。雨の日は傘をさして移動か?安藤さんの住吉の長屋のはるか前にも、ありましたです。