グンナール・アスプルンド 森の火葬場 外と内を繋ぐスライド開口
外と内をつなぐ。これは、建築においては万国共通に考えられている事の一つですが、グンナール・アスプルンドが設計した森の火葬場では、亡くなった魂が森に帰るという概念からして、非常に重要な部分でした。どうやって内部と外部をつなぐか?アスプルンドはその答えとして、内部と外部を区切る大きな開口部をそのまま地下にスライドして無くしてしまおうと考えました。
締まっている時にも、完全に外と遮断するのでは無く、何となく外と繋がる。
それには、日本の障子などの建具の考えを参考にしたそうです。
この大きな開口部を全部見えなくする。その発想は凄いですし、地下にスライドしていくシステムも1940年という完成時の時代を考慮すると、相当な技術でした。
葬儀が終わると、この大きなガラスドアが、ゆっくりと床の下に入っていき、外のロッジアと一つに繋がります。
内部からは外の景色が見えますが、外からは殆ど内部を見ることはできません。
ロッジアの天に昇る像
そして、グンナール・アスプルンドのお墓もあります。
いろいろと生と死について考えさせられる森の墓地でした。