東京ステーションギャラリーで開催中の「くまのもの」隈研吾展を見てきました。

5月6日まで東京駅のステーションギャラリーで開催中の展覧会建築家隈研吾氏の「くまのもの」を見てきました。 昨年の安藤さんの建築展につぐ、大きな建築展覧会。 隈さんの真骨頂である、素材、物質の表現が見事に解りやすく展示されています。 那須の石の美術館から始まる隈さんの素材に対する取り組みは、一貫していて、 素材そのものの持つ特性を新しい形で表現していく手法が読み取れます。 石、木、紙、竹、瓦、土、膜等々、素材の表現の可能性をどんどん拡げていったその努力と発想は、やはり素晴らしい。 まだまだ可能性が無限にあるのではないかと思わせる内容でした。 その素材を扱う職人さん達は、その素材の持つ良し悪し、魅力を身体で覚えていて、 その職人さんたちから素材に関する話を真摯に受け取り、かみ砕き、新しい発想として展開していく。 ここには謙虚な気持ち、尊敬する想いがなければ、できません。 日本人は、特に自然の素材そのものに魅力を感じ、生かしてきたわけで、自然素材のもつ力や可能性を理解できる受け継がれてきたDNAがあると思います。 そんな素材の持つ魅力を新しい形で世界に発信しているわけですが、隈さんの建築が、海外の人が日本的であると感じるのは、そのあたりなのかなと思いました。 これは、光を通すオニキスの石。 石といえば、厚く、重く積んだように見せたいと思いますが、全く反対。極限まで薄くスライスして、ガラスでサンドイッチして、パネルにして、仕上げ材として 用いています。発想の転換で、可能性が拡がるわけですね。