ル・コルビジェ 絵画から建築へーピュリズムの時代展(2) オザルファンのスタジオ付き住宅
西洋美術館で開催中のル・コルビジェ展を見てきました。
自然や事物を幾何学的に捉えたピュリズムの絵画。コルビジェ自身も多くの絵画を描き、そのなかから建築的要素を導き出して、建築としていきました。
その過程を多くのピュリズムの絵画や彫刻を介して振り返る展覧会。
実際の建物である国立西洋美術館の空間を体感しながらの展示はとても面白かった。
建築模型も多く展示されていました。
大きな模型は空間や外観を把握するのには無くてはならない道具の一つ。
3Dパースやパーススケッチでは伝わらないものを、模型は伝えてくれます。
オザルファンのスタジオ付き住宅
道路の折れ曲がった角に立つ画家オザルファンの為の住宅で最上階に大きなスタジオを持ちます。
1階はガレージと寝室、2階は居間と画廊、3階は制作活動を行うスタジオの構成。
この天井の高い明るいスタジオが完成した御蔭で、オザルファンはやや停滞していた芸術活動を再稼働させていったそうです。
外部には1階から2階への動線である螺旋階段、立面に黄金比で放たれた横と縦の連窓の窓、工場のようなギザギザのトップライトを持つ屋根。
そしてアトリエ内部の中2階の書斎など、動きと幾何学的操作を施した装置が見てとれます。
この小住宅はル・コルビジェが求めた幾何学的要素を詰め込んだピュリズム(純粋主義者)の思想をよく表しています。