金山町葬祭場(1) 森の中に佇む葬祭場
山形県金山町の斎場
金山杉の木立が並ぶ森の中にひっそりと佇んでいます。
圧迫感は無く、導入部は、長い廊下で構成される廊下
左が、人を導く低い棟の廊下。そして右奥には吹き抜けのある告別室と火葬室の大きな棟
設計は益子義弘氏
金山杉の森自体が告別の場所になるように考えられた設計です。
天井はフラットではなく、木を貼った舟底天井とし、圧迫感を和らげています。
こちらは玄関の扉。
床は小さなタイル
扉に細い板を張ることで、重厚感を削減。優しさを感じます。
中に入ると長い廊下が迎えてくれます。
スリット開口と、正面開口により、適度な光が注ぎ込まれます。
廊下左側のコンクリートの壁スリットには6体の彫刻がはめ込まれています。
コンクリートの基礎と壁の上に木造の屋根が載る構成
奥に進むと、右側のコンクリートの壁が一段奥にずれて、木の柱が現れます。
金山杉は太く力強い印象がありますが、ここではできる限り軽く、軽快感を持たせるため木々の枝のように
分割して細い柱を設け、屋根を受けます。
柱には柔らかい光を放つ照明が付いています。
さらに進むと、左のコンクリートの壁は無くなり、大きな開口部と木のベンチとなります。
こちらは廊下の見返しで、玄関方向を見たところ。
コンクリートの壁をずらすことで、開口部から光が入り込みます。
木の列柱が現れてくるところが、なんとも憎い設計。枝分かれした屋根との接合部も綺麗です。
しばらく廊下を進むと、右側が大きく視界が開かれます。
大開口からは、金山杉の木立が迫ってきます。
この木々に囲まれながらお別れする。
魂は自然へ戻る。
森という媒介を通して自然へと戻る魂を送り出すのに、最適な回答がここにありました。
素晴らしい設計