吉村順三 山脇和アトリエ山荘(2) 絶妙な天井の高さと大きな開口部の気持ち良さ
さて、内部へと向かいます。
玄関入りますと、廊下の向こうに大開口。そして緑が目に飛び込んできます。
決して広い玄関ではありませんが、厨房へ入る動線、リビングへと向かう動線そしてベッドルームへの動線が交差した考え尽くされたプランです。
玄関の振り返り
土間の左がキッチンへ繋がる動線
キッチンカウンターを右手に廻りこみます。このカウンターも奥に行くほど、廊下巾が広くなるように軸線がずれて配置
平面図。不整形であることがわかります。
絶妙なダイニングの位置。キッチンの配置。
そして、左に大開口
正面の扉の向こうがアトリエ。
暖炉が妻壁にドーンと鎮座しています。
暖炉の右にはベンチ。
そしてぐるりと振り返るとその奥にダイニングスペースがあります。リビングスペースとダイニングスペースを軽く仕切る台。
この奥まったところにあるダイニングスペース。低いベンチシート、L字の配置、低い天井、そして人が囲い込む不整形のテーブル。見事です。
ダイニングコーナーサッシからは裏の林が眺められました。
舟底天井なので、低く抑えられた窓側からゆっくりと天井が高くなっていって、棟のところで折れ、庭へと今度は下がっていきます。
天井は杉板
テーブルび吊るされたペンダント照明は、脇田和氏のデザイン
そのダイニングのベンチシートから庭方向を見ます。
最高の景色。そして壁で囲まれた落ち着いたスペース。いつまでも居たくなる最高の場所です。
リビングのベンチから庭方向を見る。
絨毯もベンチシートも当時のまま。色は、吉村さんがいくつか選んだ後、最終決定は脇田さんが行いました。見事な配色感覚です。
椅子とテーブルは、脇田さんと交友関係があったジョージ・ナカシマのデザイン。