野又獲 Continuum 想像の 語彙(ゴイ)(1)建築の楽しさを再認識
東京オペラシティギャラリーで開催中の画家野又獲 Contimuum 想像の語彙展に行ってきました。
想像で描かれた建造物
どこか懐かしく、惹かれます。
この世界に存在すする建築は、自然の力に対する構造的な規制、それを建てる為の経済的な規制、建築基準法をはじめとした法的な規制、機能的な規制等々がんじがらめに縛られています。
建築家は、それら規制のなかで、自分の追い求めた建築像を可能な限り具現化していきます。
そこには多くの格闘があるわけで、皆さん頑張っているわけです。
今回この野又さんの建造物の絵を見て、忘れかけていた建築の魅力を思い出すことができました。
規制の無いなかで、思考されたフォルムを枠にとらわれないでキャンバスに表現する。
そこにはワクワクする建築の素形がしっかりと描かれていました。
私が心惹かれたのは、1980年代後半から1990年代の初期の作品たち。
1986年 Still-25
1986年 Still-40
1988年のArcadia-21
壁の存在感
1988年 Arcadia-24
アーチの魅力と階段の垂直方向への流れ
1990年 Sublime-23
厚みのある連続した壁と洞窟をくり抜いたような断面
建築のどっしりした構え。そして静寂感。好きです。
1992年 Land-Escape12
植物とガラスドームと象徴的らせん階段の絶妙な取り合わせが魅力的
このあたりから、自然の植物が構造物と絡み合うようになってきます。
そして、ロシア構成主義を彷彿させるような自然と一体化した建造物。
そして、仮設の外部足場からもヒントを得ているような構造体になっています。
1993年 Nowhere-1
1996年 Forthcoming Places-8
2段のアーチ開口。そして14世紀から16世紀のヴェネチア建築にみられるような厚さのある壁
さらに屋根はガラスとなっていて、植物が中に生殖するという建造物
こうしてみると、やはりローマ時代に創造されたアーチは建築の魅力の一つだと思いますね。