ディエベド・フランシス・ケレの高松宮殿下記念世界文化賞の講演会

高松宮殿下記念世界文化賞の建築記念講演会に行ってきました。 建築部門で受賞されたのは、2022年にプリツカー賞をアフリカ出身で初めて受賞した、ディエベド・フランシス・ケレ氏 余り詳しくケレ氏の事は知りませんでしたが、講演会ではケレ氏のこれまでの設計してきた建築や、その根底にある考え方を聞くことができました。 日本人には馴染の少ない西アフリカのブルキナファソという国の出身。 生まれたガイド市には学校が無く、隣町で劣悪な環境で教育を受けたケレ氏は、学校をより良いものにしようと決意。 大工の修行にドイツを選び、奨学金を使ってドイツの大学院まで出て、その後祖国に小学校を作ります。それが初めての設計。 子供達の溢れる笑顔からエネルギーをもらい、ガイド市の市民総出で、建築の全てを市民の手造りにより、小学校を完成させます。 市民をやる気にさせて、皆の協力を得て作り上げた小学校は冷房設備は無いものの、2重の天井による風の抜け道をつくることで快適な学校になりました。 それが基になり次々の教育建築を作り上げ、医療施設も設計し、やがて世界に認められていきます。 その後の設計した建築も、建物が建つ地域の自然素材を用いたエコで快適なものばかり。 建築家安藤忠雄さんの、建築は闘いでボクシングのようなものという考えに、感化されていて、これまでも多くの壁 を努力と活力、人々の力を終結させる力により、乗り越えられてきました。 更に、決しておごらない誠実な人柄が、会話の節々から感じ取られました。 お金があろうと無かろうと、良い建築はつくれる。 ああ、建築とはこういうものだったなぁと想い出させてくれる講演会でした。