中村家住宅(2) 心地よい中庭のスケール 琉球石灰岩の床
ヒンプンという結界の壁から中門をくぐるとまずは、中庭が現れます。
この中庭は、一番低い平面の部分が約5400四方、その廻りに900の段が廻り、そして建物の縁側とつながる空間
琉球石灰岩をランダムに敷き詰めた床
ヒンプンの高さは、ほぼ目線の高さで、圧迫感が無く、視界も開ける丁度良い高さ。
丁度落ち着くスケールの中庭を囲むのは、ヒンプンの壁、アシャギと呼ばれる離れ、ウフヤと呼ばれる母屋、そして高倉の建物。
ウフヤの座敷奥から、この中庭を見ますとこのような感じです。
正面にヒンプンの壁、その壁に放たれた中門。中門の左がアシャギ。アシャギの向かえが高倉という構成。
母屋の柱フレームが額縁になり、ヒンプンの向こう側の景色も含めた遠近感のある空間を構成します。
ウフヤの奥から順番に中庭に近づいてみますと、このように景色が変わります。
まずは、奥から。
少し近づきます。
琉球石灰岩の壁ヒンプンと、同じく琉球石灰岩の床。石の中庭
さらに縁側までくるとこんな感じ。
離れであるアシャギを高倉から見たもの。
左が母屋であるウフヤ
アシャギ(離れ)は、当時首里王府の役人が、中城間切にあった番所に地方巡礼しに来た際、宿泊として使った部屋だそうです。
中庭からウフヤを見たところ。
縁側がぐるりと廻ります。
正面が客間である一番座。その左が仏間である二番座。さらに左に居間としての三番座が続いて配置されます。
こちらがアシャギの縁側から高倉を見たもの。
穀物をネズミから守るためにネズミ返しという斜め壁が四周を廻ります。