中村家住宅(3) 風が抜ける建物配置 奥のもうひとつの中庭
中村家住宅では中庭を中心とした母屋と穀物倉庫の高倉、家畜小屋兼納戸、そして豚小屋が、風が抜けるように配置されていて、そのすき間空間がとても魅力的なんです。
「囲む」ことと、その中に「抜け」を設ける事で、流動的な空間が出現。気持ちも和らぐのです。
こちらは、中庭ですが、正面の高倉と母屋は建物が離れています。高倉は独立した一つの象徴的な建築
母屋もこの高倉との接合部に中前というスペースが高倉川に飛び出しているので、中庭の囲まれ感がより生まれています。
そのすき間空間から奥に行くと、また裏側の中庭的場所にでます。
隙間の正面の建物は、家畜小屋
こちらは、その中庭から、逆に見返したところ。
母屋の出っ張りがなくなり、再び広い通路になっています。このあたりは見事な配置計画です。
もう一度玄関部分に戻りまして、最初の中村家ブログ(1)で書いたヒンプンの壁から左に行きますと、台所前に設けられた中庭にでます。
ヒンプンの壁が途切れたところに現れるのが、もう一つ中庭。
水を汲む水場が左。正面が母屋の台所にあたる部分です。
この中庭もなかなか素敵な空間
左の建物はメールヤ―と呼ばれる家畜小屋兼納戸。
高倉と母屋の台所部分との関係性
メーヌヤ―と母屋のすき間
ウフヤ(母屋)とメーヌヤ―(家畜小屋)は、屋根はつながっています。
その先にはフールと飛ばれる豚を飼育する豚小屋が並びます。
隙間を進んでいきます
上の方からその豚小屋を見たところ。3つの豚スペースが並びます