ドミニク・ペロー 大阪富国生命ビル 森を意識させるエントランスホール
働くオフィスに緑を持ち込み、そこにホッとできる場を創出する。というような事は皆考えますし、本物の緑(植物)をいろいろな水循環システムによって壁面に装着できるやり方も開発されてきました。確かに本物の植物をホールなどの共用空間に配置するのは素晴らしいのですが、いかんせん室内なので維持管理がどうしてもかかります。本物であれば、成長もするし、きちんとお手入れしないとみすぼらしくなります。そんな事を考えながらこの富国生命ビルの吹抜けホールを見てました。緑のガラスプレートに樹木の写真を挟み込み、それをガラス壁として立ち上げています。床は赤褐色のフローリング。緑のガラス壁。おまけに森の香りがする空調。完全に人工的な無機質な森なのですが、気持ち良い空間でした。
地下のショッピングゾーンからその吹抜けホールに出ます。
立ち上る緑のガラス壁。シルク印刷された森の木々が見えます。
一面の大きなガラス壁としないで、このように斜めスリットのあるガラスプレートとすることで、視界に抜けが生まれ、奥行が出ます。これが拡がりを感じさせるミソ。
外壁側はガラスカーテンウォール。ブラインドは日射に反応して自動的に動き光を調整するシステムが組み込まれています。
1階のオフィス用のエントランスホール
天井パネルが面白い
吹抜けに面する階のオフィス側壁面には鏡壁が設けられていて境界があやふやで拡がりを感じることができます。