国立近現代建築資料館 吉阪隆正 逆転の発想と原寸図に基づく建築
吉阪さんの考えは面白い。常識とか当たり前とかいう考えをまずはひっくり返して考えてみる。そこから物事をスタートさせて現実との間に着地点を見つける。そんな手法をとられていたようです。それが解りやすいのがこの逆さ日本地図
太平洋側に日本経済の中心が寄り過ぎていて不安定なのを地図を逆さにして見てみる。そうすると日本海側にも重点とんる都市がもっと必要ではないか、そうすることで日本は偏りのない社会ができるのではないか。と考えました。残念なことに今は東京集中。もっと不安定になってしまっています。これほどネットワークシステムが発達したのだから、田舎でも仕事はできますし、分散は可能かと思います。まず国の省庁が動かない事には話になりませんが。
次は海を中心とした世界地図。南極を真ん中に据えますと、海は繋がっています。
世界を平均的に見るサイコロ
吉阪さんの考え方は、ひとつのものを鳥瞰的に捉え、そのものの本質を掴むということでしょう。なんでもそうですが、一つのことに縛られると、外が見えなくなります。勇気をもって1,2歩下がり上の方から全体を見てみる。そうすると今の立ち位置がわかる。非常に重要な考えです。
理論はあくまでも鳥瞰的に全体を捉え、いざ物を作り出すとディテールを徹底的に詰める。建築においては原寸図がそれにあたります。作るものと同じスケールで描いてみますと、その物の良し悪しが肌で解るようになります。原寸はデザインは勿論、故障の原因になる部分を検討し修正するのにも便利なアイテムです。