大巻伸嗣 くろい家 真っ暗な闇の空間に現れる白い光の玉
千住の黒い空家を用いた芸術家大巻伸嗣氏の作品くろい家を見に行きました。
かつては鉄工所、居酒屋等で使われていたとかいう外壁が真っ黒の家。その中に不思議なアートが展開されていました。
真っ暗な闇の中に窓があり、その窓の上から白い光る球体が落ちていきます。
ゆっくりとした静かな時間。そして、時々上から落ちてくる白い球体。
場面は2つあり、一つは3階から見た窓。もう一つは1階から見上げる窓。
下から覗いたイメージはこんな感じでした。
真っ暗闇の吹抜け空間に渡された黒い梁。
その吹抜けの上部から光が射したかと思うと、白い球体が落ちてきます。しかもシャボン玉のようにゆっくりと。途中梁に当たって砕けるものもあれば、地面のたたき土間に落ちて噴霧上に砕けるものもあり。見ていて飽きませんでした。今我々はこの慌ただしくモーレツなスピードで流れる現代社会に巻き込まれて生きているわけですが、時代と共に生きてきた「くろい家」の中で「時」という感覚を思いださせてくれました。素晴らしい作品です。