沖縄の伝統的家の形を今に伝える中村家住宅(1) ヒンプンが構える家
沖縄の伝統的な木造建築を今の時代に伝える中村家住宅。
その素晴らしい空間構成を今回味わう事ができました。
まずは何と言ってもエントランスから。
正面に構えている壁は「ヒンプン」という家を守る壁
琉球石灰岩で造られたヒンプンは外界との結界を表します。そして、台風の強い風を室内に持ち込まず、屋根へと逃がす役目もします。
左側の壁が斜めになっている建物は、穀物を貯蔵する高倉と呼ばれる倉庫
昔は男性と女性の入口が異なり、男性は壁に当たって右側にある中門から中に入ります。
女性は壁に当たって左に向かい、その壁がきれたところから中に入りますが、ちょうどそこに台所が配置されています。
壁まで進むと、琉球瓦の屋根がその存在感を主張しているように意識されます。
屋根に載るのは、魔物から家を守るシーサー
ヒンプンの左側
こちらを進んで壁から右に曲がると台所です。高倉のはね出した壁と屋根、そこにヒンプンの壁がまっすぐに伸びてパースペクティブな景色を作り出しています。
ヒンプンを奥から見るとこんな感じ。向こう側の壁が途切れたところに玄関の中門があります。
その中門。この写真は、中庭から中門を撮ったもの。
中に入ると、中庭を挟んで家の一番座という部屋が正面に見えます。
中庭はこの建物の中心を構成するプライベートな外部空間です。