吉村順三 脇田和アトリエ山荘(5) 気持ち良い大開口
お庭を囲い込むようにL字に曲がる建物ですが、何と言いましてもこの大きな開口部が自然を室内へ取り込んでくれます。
この開口部の開放性は、窓が床上約30cmから天井まであること。しかも手摺がありません。
最初怖いかなと思っていましたが、サッシが、引戸の引込戸となっていて、障子、ガラス戸、網戸そして雨戸とかなり広く引戸で取られるので
幅がかなりあります。そのために、安心感もあるんです。
大きなリビングですが、竣工前に現場を見て、ちょっと間が抜けていると感じた吉村さんは、このセンターテーブルを置くことにしました。
これで、空間がグッと締まりました。
また、リビング側からキッチンを見た時にキッチン入口上部が、何か不足していると散々悩んだ末に、四角い空洞の箱を取り付けたそうです。
キッチン側を見ます。
大きな屋根の棟をささえているのは柱になるわけですが、木造の梁だとリビングの端からダイニングまではとても飛ばせない。
そこで、この部分には鉄骨の梁が入っているそうです。
舟底の折れる線上に柱は通常きますが、ずらして配置
こちらは暖炉部分
暖炉はコンクリートで手造り。非常に浅い感じがしました。煙ではなかなか苦労したものの、煙突を伸ばすことで解決したそうです。
いろいろなアイデアが詰め込まれた名作。
また機会があれば、行ってみたいと思います。