日本橋ダイヤビル 江戸橋倉庫ビルを生かして増築された好例
近代建築がどんどん壊されていく中で、この三菱倉庫の日本橋ダイヤビルは、かなり頑張っています。古い建物の一部を残してその後ろに新しい高層ビルを建て津手法は沢山ありますが、うわべは残っていても、中は殆ど保存されていないのがほとんど。この日本橋ダイヤビルでは、昭和5年に建てられた江戸橋倉庫ビルの7割を残し、その中に高層ビルを建てています。従って外周は殆どそのまま。保存を言うのは簡単ですが、そこには現代の最先端建設技術がなければできない事も事実です。特に構造解析による新旧建物の接合、耐震性は極めて難しい。実際間近に見ますと、高層部は視界に入らないので圧迫感も無く、古いものと新しいものが本当に上手く納められています。
これは全体像。保存された低層部では、船の艦橋のような塔屋が特徴
この塔屋部分は再建されました。
下部の保存部分の江戸橋倉庫ビルは、船着き倉庫として利用されていて外観も豪華客船のイメージ。直線の無い曲面を多く用いた柔らかい感じですが、そのデザインモチーフを高層棟でも用いています。
道路角部分の曲面部分は特に美しい。
大きな壁面にはなたれた開口部も実によくデザインされた楽しいものです。
低層部は、緑褐色の重厚な石積み
上階の半円形バルコニーもアクセントになります。