世田谷の小さな美術館 村井正誠記念美術館
世田谷の等々力駅から歩いてすぐのところに、小さな美術館があります。抽象絵画の芸術家村井正誠の記念美術館。もともとあった木造のアトリエを解体して、その木造の材を適所に使うと共に、アトリエ自体は、そのままこの四角い箱の中に納まっています。作者が何を想い、何を残したかが、アトリエを通じて訪問者に訴えてくるような構成になっています。残念ながら今年は、美術品整備の為のお休みということですが、またじっくりと訪れたい美術館です。
外部は四角い箱に元の木造アトリエの屋根の野地板を縦スリット状に貼り付けたもの。昔の建物の残像を伝えたいという想いを形にしたものです。
建物の切れ目の奥が庭になっていて、そこに池があり、その池の中に村井正誠が使っていた愛車が浮かんでいます。
小さな看板があり、ここが普通の建物ではないことが解ります。
そして、緩やかなスロープ。
水盤やスロープの縁は、錆が出ているコールテン鋼。自然の中で非常にシャープにコールテン鋼が空間を引き締めます。
そして、建物の1階がガラス貼りの開口部。
メリハリの効く、外観でした。設計は隈研吾氏。