夕方、雨上がりの京都圓通寺を訪ねる

京都に行って、時間があるときには必ず立ち寄る圓通寺。 何と言いましても、ここの庭は、ダイナミック。 他人の敷地の緑、山々を自分の庭のごとく刈り取る。その「借景」という概念を見事に表現しているお庭です。 手前の石と苔の庭、約1.6mのいろいろな樹木が混ぜられた生垣、その向こうの竹林、そして最も美しい姿とされる比叡山 近・中・遠景が見事に柱間に額縁として納まります。 訪問したのは、閉館間近の夕方で、降っていた雨があがりました。 遠くの比叡山には霧がかかっていましたが、時間と共に、晴れて比叡山の山の頂も見ることができました。 雨が降った後は、庭の苔に生気が戻り、岩の色が青くなります。 その色のバランスが見事でした。 年々の厳しい気候の為、庭の苔の管理が非常に難しく、ひとつひとつ苔を植え替え、管理されているとのこと。 ここから見る景色には、電柱や、家々はまったく見えませんが、実はこの北山あたりも非常に開発が進み、 圓通寺を出ますと、すぐ住宅が、立ち並んでいます。 和尚は、この庭を守るため、いままで開発業者や、京都市ともかなり闘ってこられたのこと。 この一つとない景色を守るにも、相当な努力と人々の理解が必要なんです。 これからも、守り続けたい日本の宝だと思います。